海外ドラマ好きの独り言

海外ドラマ好きのOLが、ドラマの感想をつらつらと述べるブログです。クライムサスペンス、法廷物中心、時々ハートフル

The Great~エカチェリーナの時々真実の物語~ とにかく面白いコメディドラマ

あのロシアの女帝エカチェリーナの物語である。とはいえあくまでもモデルにしていると思った方がよくて、内容はコメディというか風刺というかとにかくドタバタしたドラマだ。私は特にコメディ好きではないのでそれほど期待せずに見始めたのだが、とにかくはまる。
物語はエチェリーナがドイツからロシア皇帝ピョートルの元へ嫁いできたところから始まる。この嫁ぎ先が堕落した宮廷で、風刺といえどもこれ、ロシア人に怒られないだろうか。毎日馬鹿騒ぎのパーティーが繰り広げられ、ピョートルは親友の妻を愛人にして、下品で乱暴で、何かというと「ハラショー!」と叫んでグラスを割る。もう一度言うがロシア人に怒られそうである。
キャストがはまっている。エカチェリーナを演じるエル・ファニングは知的で、表情豊かにしかめっ面をしたりふくれっ面をしたりするところが実に可愛いらしい。そしてピョートルを演じるニコラス・ホルトがまたいいのだ。宮廷のカツラ(あの巻髪のやつ)をつけてもギャグにならず、どんなに下品な言葉を繰り返しても(5分に一度はFワードを叫ぶ)嫌悪感を感じさせないイケメンっぷり。全裸で宮廷を歩く(なぜなら馬鹿なので)シーンのスタイルのよさ。時々真顔になると、実は馬鹿を演じてるサイコパスなんじゃないか?と思わせる。どうしようもない暴君なのに妙に素直に子供の頃のさみしかった話などをしてみせる。こんなに上手い役者なんだ、と思わせる。
歴史的にはエカチェリーナがピョートルを殺して女帝になるはずだが、このドラマではこの二人、うまくいってほしいとさえ思ってしまう。

HAWAII FIVE-0 日本人は全員ヤクザ

HAWAII FIVE-0はシーズン8でメンバーが大幅にチェンジした。メインキャストの二人がギャラ関連で抗議をしての降板が原因となれば、視聴者の気分にも多少影響する。
ましてやそれがアジア人への差別でないかとなればヤマトナデシコとしても複雑な気分だ。
Five0のオリジナルメンバーはスティーブンとダニー、そしてスティーブンの幼なじみのチンとチンのいとこのコノ。チンとコノはハワイローカルのアジア系という設定だ。というかだった。このチン役のダニエル・ディ・キムとコノ役のグレイス・パークが、他の二人に比べてギャラが安すぎるということで抗議をした結果の降板である。確かに、当初こそアレックス・オローリンが人気知名度ともに一番だっただろうが、シーズン7ともなれば、人気も4等分しているのだから、ギャラが10分の1以下ならば抗議もしたくなるだろう。(ここの真相は不明だが、キャラが極端に低く、上がり幅も少ないというのはダニエル本人談)

もともとHAWAII FIVE-0は当然撮影をHawaiiでやっているので、俳優への負担が大きいのか入れ替わりが多い。日本人俳優のあのマシ・オカも準レギュラーだったが、「Hawaiiに通うのが大変」という理由で降板している。シーズン3あたりからはメインキャストのダニーがいない回がしょっちゅうある。最初のころこそ「シカゴの裁判に証人として行った」だの「親戚の用事」だの理由をいっていたが、後半は理由もなくて、あ、今日はダニーでてないな、とこちらも慣れてきた。そもそもスティーブンとダニーのバディものなのにそのうちの一人がしょっちゅういないってどういうことなんだよ。
そんなわけで、シーズン8で誰かが降板、と最初聞いた時はてっきりダニーだと思ったものである。それがまさかのチンとコノ。ダニーの留守を支えて皆勤している二人のギャラが安いとなればそりゃやめるよね。

これはHawaiiの物語。青い空と海とオハナ(ハワイ語で家族)の物語なのにそんな裏話をきかされるとテンションは下がる。しかしそれを差し引いても、シーズン9とシーズン10の出来はひどかった。あんなに盛り上がったドラマなのにこんな終わり方をするとは。ドラマ適当に作りすぎ。
そして日本人の扱いがこれまた適当すぎる。もうちょっと勉強するか、マシ・オカを制作サイドにいれてほしかった。まずヤクザ一家のアダム・ヨシノリ。演じているイアン・アンソニー・デイルは他でも割とよくみかける俳優だが、日本語はできないよね?ヤクザの息子役でだしてカタコトの日本語で話すのやめて。そして彼がなんだかんだあってコノと結婚し、コノの降板に伴い離婚したという設定でなんとFIVE-0の一員となるのだ。
いやいやなんで?元ヤクザ(ではないのか。息子というだけ?)で、犯罪歴があるし、刑務所にはいっていた時期もある。警官のコノと結婚した時もびっくりしたけどいまや捜査官ですよ。そういう訓練もした気配ないけど、突然バッチと手錠もって悪人追いかけてますよ。いくらなんでも無理ありすぎでしょ。外部の情報屋扱いでよかったんじゃ?これチンとコノが降板したのでバランスとるためにアジア系をメンバーにいれた?
で、案の定というか何というかこのアダム、昔のヤクザ仲間にしょっちゅうからまれる。そりゃそうだ。なんといっても周辺にヤクザしかいない。ハワイに住んでいる日本人、全員ヤクザとその関係者らしい。そしてエンドー・タナカという若いヤクザがでてくる。誰かどっちも名字だと教えてあげてほしい。それとも外国にはそういう名前の日系人が多いんだろうか?遠藤田中、、、お笑いコンビにしか見えないのだが。まあ考えてみればアダム・ヨシノリも微妙な名前だ。ヨシノリって名字っぽくないよね。ちょっと調べればわかることなのに適当すぎる。私に電話の一本もくれれば名前の校正くらいしてあげるのに。

なんか、日本でも人気のドラマとわかっててこの扱い、がっかりである。

最近の体たらくはどうしたものか、と思っていたらクリミナルマインド、終了らしい

全米大人気(スーパードラマTV談)のクリミナルマインドもシーズン15で終了するそうだ。だろうな。あんなに良質で夢中になっていたドラマだが、シーズン11あたりから?と思うことが増え、シーズン12にいたっては半分惰性でみていた。
クリミナルマインド失速の大一要因は、デレク・モーガン役のシェマームーアの降板だろう。猟奇殺人を扱うドラマの性質上キャストの入れ替わりが激しいドラマの中で、初期メンバーの一人として安定した人気を誇っていた。
キャラクター的にも精神の安定したモーガンをうしなって、ドラマが迷走し始める。まずエミリー・プレンティスが戻ってくる。シーズン2から登場しているキャラクターで、なんだか出たり入ったりしているが(途中で死んだふりをして行方をくらませてたり、インターポールに入っていたり)モーガンと同じタイミングでやはり役者事情でいなくなったホッチナーの代わりに突然リーダーの座におさまる。個人的には好きなキャラだが、突然すぎないか?そしてモーガンの後釜にはルーク・アルヴェスが他の部署からの移動として入ってくる。演じるのがCSIマイアミのエリックだったアダム・ロドリゲスだからやや混乱するが、CSIだろうがBAUだろうがやってることは犯罪捜査なので違和感はあまりない。モーガンがになってきた武闘派キャラと、リードの兄貴役には割とすんなり馴染んだ。がしかし、ルークだけではモーガンの穴を埋められないと思ったのか、タラ・ルイスという心理学者とスティーヴンというエミリーの知人の捜査官もチームに加わり突然の大所帯となる。思うに、モーガン以外のレギュラーメンバー、リード、ガルシア、JJ、エミリーがみんな白人で、黒人のモーガンが抜けたことでバランスが悪くなって、タラとスティーヴンという二人の黒人をいれたのだろう。
しかしこのスティーヴン、なんとすぐに殉職する。人数が多すぎると思ったのだろうか。唐突の退場である。そしてシーズン13ではマシュー・シモンズが入ってくる。スピンオフドラマの「クリミナルマインド国際捜査班」のメンバーで、そちらが終了したのでそのまま入ってきたのだ。アジア系アメリカ人である。このマシュー、ルークとキャラがかぶる。なんだかもうごちゃごちゃしすぎだ。
ここへもって従来のキャラクター、リードやガルシアが迷走しはじめたので、大人の知的なドラマだったクリミナルマインドが、今やキャラがごちゃごちゃ入り混じる群像劇に変貌しているのだ。
シーズン15で終了、残念だが英断だろう。

MANIFEST2/マニフェスト2 ジャレッドが気の毒すぎる件について

予想通りシーズン1では収集がつかず、当然のようにシーズン2にもつれ込み、更にSF感が高まってもはやなんでもありの感のマニュフェストです。
もともと、旅客機が行方不明になり、戻ってきたら5年半の月日がたっていた、この超自然現象が陰謀だったのではという“SFミステリー”と、飛行機に乗っていた人々と5年半彼らのいない生活を送っていた人々の“ヒューマンドラマ”がストーリーの本軸とされていたけれど、ミステリーの方はもはや訳が分からなくなっているので、それはそれとして人間ドラマの方を楽しもうと見ていたが、それにしては、シーズン2は観ていて辛い。

だいたいシーズン1から、主人公兄弟の被害者感がどうかなあ?と思うところはある。自分たちのいなかった5年半の間家族や職場を守ってくれていた人たちへの思いやりがなさすぎるのだ。
まず気の毒だったのはベンの奥さんグレースの恋人ダニー。これ、ベンが行方不明になり(死んだとされていた)その後グレースを支えていた恋人だ。あんまり出番なかったけど娘のオリーブともうまくいっていた模様。しかしこのダニー、ベンが戻ってきたから割とあっさりグレースから捨てられる。いや、まあ何といってもまだ夫婦だし子供もいるし、グレースがベンを選ぶのは仕方ない、仕方ないんだけど扱いが雑だ。シーズン2ではグレースの妊娠が判明して、ベンの子かダニーの子かわからないのにダニーには内緒。「きっとあなたの子よ」と二人で喜びあうのだが、ねえ、せめてダニーにも教えてあげて。
このダニーより更に気の毒なのはジャレッド。ミカエラの恋人だったけれど、5年半の間にミカエラの友人と結婚。(恋人と友達を失ったもの同士が慰めあった結果という、まあよくある話。)で、ミカエラが帰ってきてなんやかんやあって結局離婚して元のさやに納まった、かと思いきやミカエラが冷たい。あんなに未練たっぷりで(なんせミカエラ的には1日しかたってないのに恋人が結婚してたわけだからそこは仕方ないんだけど)あれこれジャレッドに付きまとってたくせに、ひとたび手に入ると急に「考えたい」とか言い出す。なんでだ、と思っていたら、突然ジークという新しい男が登場する。この男、飛行機の乗客でもないまったく新たな謎にまつわる男だから、視聴者にとってもジャレッドにとっても「突然」現れた男なのだ。なのになんだか謎繋がりでミカエラがあっさりこのジークに乗り換える。いやいやジャレッドはあなたのために離婚したんですけど?と思う。
しかもこのミカエラ、性格がきつい。突然あらわれた男のために長年の恋人で(繰り返すが)自分のために離婚までした男をあっさり捨てたあげくに「もうお互いに前に進みましょう」などとストーカー扱いする。そのくせ何かというと「人として正しいことをして」と引き続き協力は強要をする。ひどすぎる。
ジャレッドが気の毒なのは、ミカエラの仕事の同僚なので、ダニーのようにフェイドアウトすることもできずにかわいそうな立ち位置のままずっと登場していることだ。そのせいでシーズン2になってキャラが変貌していく。シーズン1ではやや頭の固いところはあるものの、誠実で正義感の強い刑事だったのに、シーズン2では偏屈な皮肉屋に変貌する。もはやミカエラからすると敵扱いだ。
何もかももつれたままシーズン3に突入するらしい。今のままじゃ観ていて辛い。ジャレッドの扱いを見直すことを強く要求する。(誰にだ)

ブラインドスポット ー シーズン2でのロマンのキャラ変について

ニューヨークの繁華街に全身タトゥーで記憶をなくした女性が現れる。ジェーン・ドウ(よく身元不明の遺体をこう呼んでるのを聞く。名無しの権兵衛みたいな意味だろう)と呼ばれるようになった彼女がタトゥーに名前のあったFBI捜査官ウェラーと謎を解いていくクリミナル・サスペンスだ。
タトゥーは犯罪を告発する暗号になっていて、タトゥーに導かれてFBIのチームが犯罪を説いていく。謎解きの要素も強い犯罪捜査物としてはなかなか面白かった。が、じゃあこのタトゥーがなんだったのかとなると答えはグダグダだ。
実はこのジェーンがテロリストの一味で、自ら記憶を消してFBIに潜り込んだ、ということなのだが、記憶をなくしているから、そして主役だから当然ながら正義の味方となってしまう。つまりこのテロリストの壮大な計画は大失敗に終わっているのだ。そしてテロリストがなんだってタトゥーでわざわざ世の中の犯罪をFBIに知らせたのかというのもわかったようなわからないような答えである。

このジェーン(本名はレミー)がまあ当然のようにFBIのウェラーと恋愛関係になり、FBIのチームの一員として大活躍する。一方でテロリスト仲間は(記憶をなくしているから敵とみなされて)かなりないがしろにされており、もとの恋人なんかも割とあっさり殺される。そこで登場するのがロマンだ。これはテロリストながら弟なので特別扱いされる。シスコンでイケメンでなんとも母性本能をくすぐるタイプだった。だった、というのはシーズン2でキャラが激変しているからだ。
そもそもシーズン1の時も、ジェーンは記憶を失っているからテロリストだった頃の罪はなかったことになってFBIの仲間に迎えられているのだが、ロマンはただのテロリストとして拘束される。テロリストのボス(二人の育ての母親)に洗脳されているとしてFBIに協力を要請され、いずれ仲間になるのかな?という気配も見せていたが、シーズン1の最後に決別する。シーズン1ではFBIに軟禁されていて、育ての母(テロリストのボス)と大好きな姉(ジェーン)の間で揺れ動く、腕はいいがコミュ障のキャラだったが、シーズン2でメインの敵に昇格してからは完全な悪人となっていた。口がうまくて人付き合いがうまく、あっという間にターゲットに取り入ってはあっさり殺して次に進む危険なイケメンに変わっていた。

そしてブラインドスポットはタトゥーしばりがあるから仕方ないのだが、このロマンもジェーンを誘拐してタトゥーで暗号メッセージをいれる。紙とペンでもいいし、メールも使えるのになんだっていちいちタトゥーでいれてくるのかもうわけがわからない。
まもなくシーズン3がはじまる。なんだかんだいってアクションも謎解きも面白いので、そんな馬鹿なといいつつも見てしまうだろう。

THE BLACKLIST/ブラックリスト みんななんて自分勝手なんだ

ブラックリストシーズン7が始まった。
元軍人で今は国際的犯罪者のレイモンド・レディントンが免責と引き換えにFBIに「ブラックリスト」にのる犯罪を教えていく。
一話ごとに事件が解決していく様子は明快で、アクションも満載、さらにその一つ一つの事件解決が実は回り回ってレディントンの利益になるストーリーも凝っていて面白い。面白いが、その裏で「レディントンは何者か」という大きなストーリーが展開しており、そちらはやりたい放題の破綻をみせている。
そもそもこのドラマはどんどん人が死んでいく。そして死んだ人がシーズンを超えると生き返ることもよくある。遺体を確認しないと絶対に生きていると思った方がいい。死んだという噂なんて何の当てにもならない。おそらくシーズンが終わった後に視聴者の反響をみながらストーリーを調整しているんだろうと思う。
レディントンは何者かというストーリーに絡んで、もう一人の主役FBIのエリザベス・キーンがいる。エリザベス・キーンの父親でないかというストーリーでかなり長い間引っ張っているが、これもDNAを調べてはそれが間違っていたのすり替えられていたのを繰り返してもう何でもありである。

スーパードラマTVで山田五郎がやっているブラックリストの解説を見られる人は是非見てほしい。ブラックリストのファンながらちょっと馬鹿にしながら解説している感じが絶妙である。
エリザベスの夫のトムは何度も撃たれているが(うち一回はエリザベスに至近距離から数発撃たれている)まったく死ななかった。そのトムがシーズン5で死んだときはネットもざわついた。山田五郎曰く「何度撃たれても助かったのですが、最後は刺されたから本当に死にましたね。」

個人的にはエリザベスの相棒のレスラー捜査官の巻き込まれっぷりが気の毒でならない。エリザベスは「私のためにお願い」と主役特有の自分勝手さでやりたい放題だがよく考えれば(考えなくても)なんで個人的な親子関係にFBIが巻き込まれているのかと思うこともしばしばである。

ドラマとしては面白いので楽しみではあるが、本筋のレディントンが何者かというのはレディントン自身もわからなくなっていると思う。

サバイバー 宿命の大統領 ー キーファー・サザーランドだけどアクション担当ではない

ある日議事堂が爆破され、大統領を含むほとんどの議員が死亡。「指定生存者」として議事堂にいなかったトム・カークマン(キーファー・サザーランド)が突然大統領となり、政治と陰謀と戦うというストーリー。
この「指定生存者」制度は本当に存在するらしく、確かに議事堂が爆破されれば大統領も副大統領も亡くなるのだから、その後を描くというポリティカルドラマとしては面白くよくできていた。
あのキーファー・サザーランドが主役だが、彼のアクションシーンは全くなく(「従軍経験すらないただの善人」という設定)、アクション部門はFBI捜査官のハンナ(マギーQ)が一手に引き受けている。そもそもアクションシーンは思ったほどなくて、どちらかというと陰謀論とずっと戦っている話で、最初に何百人と死んだ後は意外と人も死なない。ハンナは何回も危機的状況に陥るがなかなか殺されない。一度なんか敵に捕まってなぜだか船に乗せられていたが(もちろん途中で脱出)、あのあとどうするつもりだったんだろう?敵は割とテンポよく死んでいき次々と大物が現れてくるパターンだ。
物語の破綻なくシーズン1が終わったから、面白かったんだけれどシーズン2ができたのは意外だった。楽しみなような不安なような。