海外ドラマ好きの独り言

海外ドラマ好きのOLが、ドラマの感想をつらつらと述べるブログです。クライムサスペンス、法廷物中心、時々ハートフル

BULL ブル 法廷を操る男 ー よくできた裁判ドラマー

『BULL ブル 法廷を操る男』は『NCIS』のディノッゾで知られるマイケル・ウェザリー主演の裁判ドラマである。主役のブルは訴訟コンサルタント会社を経営している。心理学者の彼を中心に、元検察官や元FBI捜査官、ITスペシャリストなどのスタッフ達と裁判を分析し、陪審員の心理を読み、裁判の戦略をきめて依頼人を勝利に導く、というドラマだ。弁護士でも検事でもなく陪審員に焦点をあてているあたりは他の裁判ドラマと異なる点であり、陪審員が「真実」さえも決めるアメリカの裁判制度をよく表していると思う。裁判もバラエティに富んでおり、陪審員の選び方も本格的で見応えがある。
心理学者が社長の会社というあたり、『ライ・トゥ・ミー』に似ているが(主役の男性とそれをサポートする美女という点も)ライ・トゥ・ミーの主役だったライトマンが偏屈な皮肉屋だったのに比べ、ブルは陽気で人好きのするタイプなので見ていて楽しい。社長の性格を反映して、ライ・トゥ・ミーのライトマン・グループはなにやらギスギスした会社だったが、このブルの会社TACは仲良しでお互いを尊重していて、そういう意味でも見ていて嫌な気がしない。それでいて登場人物達の個人的な恋愛話や過去のトラウマに引っ張られすぎることなく物語が進んでいくプロフェッショナルなところもいい。
裁判ドラマとしても心理ドラマとしても面白く、展開が楽しみなドラマだ。

10年以上NCISに出て、すっかりディノッゾのイメージがついていたマイケル・ウェザリーだが、上手く転身したと思う。長寿番組で人気の俳優が次のドラマにいくときは、『ボーンズ』のデヴィッド・ボレアナズも『クリミナルマインド』のシェマー・ムーアも捜査官や特殊部隊隊員と同じように犯人と戦うアクション系で移行しているのに対し、マイケル・ウェザリーは全く違う学者の役を選んだところがよかった。それでいて陽気で冗談好きな所はディノッゾと一緒なので違和感がない。マイケル・ウェザリー『BULL』はすでに終了していて、次のドラマの撮影が始まっているらしい。楽しみだ。